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2019年8月24日(土)

MAT 2019 Aug. - なみきスクエア –

「なみきスクエア」は2016年、東区の千早駅前にオープンした文化複合施設です。音楽・演劇ホール、練習場、図書館、行政支所で構成されており、誰もが気軽に立ち寄れる、多様な活動拠点として、多くの市民に利用されています。ツアーは土曜日の午前に行われましたが、館内は既に多くの利用者で賑わっていました。
この建物の最大の特徴は、公共空間に求められる多くの機能を、一つの大きな空間の中に取り込み、共存させている点にあります。通常、壁で仕切られる各部屋は、「扁平柱」と「空調パネル」(結露許容型輻射パネル)で囲まれた領域を、一つの部屋として感じられるよう、計画がされており、壁がないことによって建物のどこにいても、それぞれの活動の気配や賑わいを感じることができました。また、外部と大空間の間に風除室は存在せず、外部との連続性、街との一体感を感じさせる空間となっていました。利用者の年齢層は幅広く、ツアー当日は、図書館を利用する子連れファミリー、ダンスの練習をする中学生、試験勉強中の高校生、サークル活動を楽しむお年寄りなどが見受けられ、多くの市民に支持されている印象を受けました。
中央部の大きな吹抜けでは、市民参加型クラブ活動「なみきスクエアCLUB」の活動について展示があり、プロデューサーである、NPO法人子ども文化コミュニティ代表理事、高宮氏よる活動内容の解説を頂きました。「家庭や仕事に続く、第三の場所として、なみきスクエアを、自分の居場所として活用してほしい」という話が印象的でした。
屋上庭園は、通常、内部からガラス越しに見上げることしかできない空間ですが、今回は特別に屋上に上がって見学をさせて頂くことができました。軽量人工土壌と様々な品種の中高木による、本格的な屋上庭園が計画されており、未公開にしておくには”もったいない”と思わせる程の気持ちのいい、ランドスケープが広がっていました。
建物のコンセプトから、それを支える様々な建築技術、完成後の使われ方に至るまで、多くのチャレンジングな試みがなされ、それが成功していることに感銘を受けました。そして、建物自体がミニマルかつ非常に魅力的な建築であることから、今後も福岡を代表する名建築のひとつとして、市民に愛され続けていく印象を受けました。

 

文:加茂川 豊記 (活動会員)

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​開催概要

  • 日時: 2019824日(土)10:30 ~ 11:30

  • 定員: 20名 (先着順)

  • 参加費: FAF サポート会員 500円、メール会員・一般 1,000円 (保険代込)

 ※ 参加費は事前振込でお願い致します。振込先は申込み完了後、事務局よりメールでお伝え致します。

  • 申し込み期間: 823日(金)17:00 まで 

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