​九州大学箱崎キャンパス

旧帝国大学の100年の歴史を刻む建物群。煉瓦で覆われた事務局棟。威風溢れる工学部本館。コンクリート打ち放しの力強い造形をもつ50周年記念講堂など。

100年の歴史を刻んできた建築群

九州大学は2011年をもって創立100周年を迎え、箱崎キャンパス内にある建物たちはその歴史を物語るように様々な時代様式が混在しています。キャンパスを鮮やかに彩る煉瓦造の建物に始まり、装飾を省いた機能主義的な建築、西洋風な木造建築、さらにはモダニズム建築まで、九州大学が辿ってきた時代変遷を体感することができます。

九大を代表する重厚なる建築

九大のシンボルとして表象される旧工学部本館は知名度の高い建築です。倉田謙設計(1930年竣工)の力強いデザインは、展望塔が中央にそびえ立ち、その両脇に半円筒状の塔屋が配置されて水平に左右対称を守る諸室で構成されています。周囲の煉瓦造の建物とは異なり茶色のスクラッチタイルで覆われており、ひときわ目立つ存在です。中央4階にある第二会議室は、昭和天皇来学の際の玉座として設立されたといわれており、議長席の背後は油絵で彩られています。

過去の記憶を伝える煉瓦材

事務局本部は1914年に焼失した工学部本館の煉瓦材を再利用して作られました。1928年に大学の本部事務局となる以前は、工学部仮実験室及び研究室として使用されていました。2階上部のバンドコーニス(頂部を取り巻く装飾)により横のラインを強調したシンプルな外観ですが、内部のデザインは真鍮に彫刻を施した階段と2階の豪華な貴賓室で装飾的に仕上げられています。

様式建築からモダニズムへの変遷

塔屋上部の連続する円弧状の庇と、基壇を示す帯状の分厚いモールディング(段差や開口部周りに施す意匠)が印象的な外観デザインとなっています。様式主義な外観とは対照的に、中庭の窓周りなどの装飾が極力排除されていることから、この建築にモダニズムのデザイン要素が影響を与えていたことが見て取れます。映画『K-20 怪人二十面相・伝』の舞台となった建築であり、劇中の多くの場面で登場しています。

力強さを表現した近代建築

九大の創立50周年を記念して建てられた講堂は、長く建築学科を牽引した故光吉健次名誉教授の作品です。大ホールの大空間を実現するため、左右一対の垂直な板状の壁が巨大な水平の4階部分を無柱で支えるような構成となっており、このダイナミックな構成を可能にするため、鉄筋コンクリートの梁の中にテンションワイヤーを入れて引っ張るという技術が用いられています。

分類:教育

竣工:1911年~

設計者:倉田謙・光吉健次ほか

所在地:福岡市東区箱崎6-10-1

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