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福岡大村美容ファッション専門学校
著名な美容専門学校である大村文化学園が、美容師法改定による定員増に合わせてより一層事業を拡大するため新たに本部となる校舎の建設を決定し設計されています。クライアントの要請は極めて明快であり、人々に一瞬にしてその存在を知らしめ、一瞬にして人々を魅了する、言うなれば「一瞬の建築」でした。設計者である高松伸はこれ以上無いほど直裁にかつ大胆に応答し、クライアントの頭文字の「O」をそのままデザインモチーフとするアイデアを提案しました。「一瞬の意匠」とも言えるそのデザインを実現するため、その後の実務の全てはその「O」のメッセージを強化するための技術的開発でした。完成後、ルミエール(Lumiere=光)と名付けられたこの建築は現在も美容の追求に励む多くの学生の道標となる光として輝いています。
湖に浮かぶ象徴的な夜間景観
建物正面は隣接する大濠公園に面しており、遠景からはその湖に映る姿を望むことができます。「O」の輪郭に囲まれた空間は学校の透明性を表すかのようにガラスのファサードで覆われているため、ファサードの支持構造に光を当てることで、建物内部から発光しているかのように演出しています。その光の色を印象的なブルーとすることでより印象を深め、「一瞬の建築」に呼応する夜間景観を実現しています。
学生の意識を高める内部空間
8層のそれぞれが実習室や教室など機能的にまとめられており、タスク&アンビエントの手法によって空間に適した光環境をつくりながら、器具の存在を感じさせない洗練されたデザインとなっています。また、全体を通して統一された光環境とすることで内部の照明がそのまま夜間景観を形成し、高級住宅街である周囲の環境へ寄与しています。
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